一人の女の子が目を閉じて眠っている。

あと少ししたら、目を開けなければいけない。この世に生を受けるのだ。しかし、それは、その女の子にとって、苦痛でしかなかった。

彼女の名前は、実は、生まれる前から決まっていた。

これは、ある人物の考えや演説からすれば、とても受け入れがたいことだっただろう。なぜなら彼は未来は確定ではないという考えを持っているからだ。しかし、その件について説明するのはまだ早い。

ただ、ここで言いたいのは、どんなことにも例外は存在するということだ。

それはこの世の真理、仕組みにすら例外が存在するということに他ならない。

確かに、彼は、この世の真理にたどり着いた最初の人物だと言えるだろう。

なぜなら、人類があれを見つけてから約500年、彼は星の記憶からその答えを導き出した唯一の人物であり、かの名演説はとても有名で、星に記憶という装置から再生された数は最大だった。過去に起こったどの事件よりもどの真実よりも、直近にあったその演説のほうが再生される数で上回っているというのは、とてつもない快挙だったことが伺える。

さて、話を今から生まれる女の子に戻そう。

通常、人間にとって名前とは、それ自体に大した意味はない。

なぜなら、それは、単に社会上の便宜を図って付けられる記号に過ぎないからだ。

しかし、その子の場合は、違った。

その子の場合、その名前にこそが最大の秘密が隠されていたのだ。

それは、一体なぜなのだろうか。

それはきっと、「あれ」を予言し、そして、消えたただ一つのあの存在が関係していると予想されるが、しかし、具体的なことはわからない。

それでもなお、推測に推測を重ねて間違いを前提に述べるならば、あの存在があれをその子の名前そのものに埋め込んだからなのかもしれない。いや、そういう事が起こった可能性があったという話である。

そんなことが「あれ」が初めて現れた500年もの昔に起こっていたとは、誰も想像できなかった。

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