これは、一人の女の子がある夢を叶えるまでの物語。

...

この世界でたった一人になりたい。誰もいない世界でたった一人に。

それが彼女の心の奥底にあるずっと変わらない強い思いだった。

もっともそのことに彼女自身が気付くのは、気が遠くなるような年月が過ぎ去ってからのことだった。

誰もいない、何もない、そんな世界は、寂しくて悲しい世界だという人もいるだろう。

しかし、その子にしてみれば、そうではなかったのかもしれない。

何しろ変わった子なのだ。

遠い遠い未来に開発される星の記憶を持ってしても、その存在は定かではなかった。

一体なぜなのか。それは後々明らかになってくるが、これだけは言っておこう。彼女にはこれと言って特別なものは何もなかった。

生まれも、両親も、祖先も、血もごくごく平凡で、普通であると言って良い。

さて、話を戻すと、彼女の心の奥底にある願いであり、望みの話だ。

そんな願いが叶うことなどありえない、不可能だという人もいるだろう。

しかし、この物語では、最終的にその子は、自らの願いをかなえることになる。

この世界でたった一人になりたいという、その願いだ。

まさか、そんな事が起こりえるとは、誰もが、そして、彼女本人でさえもわからなかった。

彼女が自身の本当の願いに気づいたのは、願いが叶った後だったのだ。

彼女が自分の名前を知り、それによって、すべてを知ることになった時、願いは叶った。

最終的にはやはり、「あれ」によってだが、しかし、色々な事情が絡んでいるので、一言で説明するのは難しい。

「あれ」についてだが、その前にまず、事の始まりから話さなければならない。

ことの始まりは、そう、2078年、人類の新しいエネルギーの発見からだった。

この物語は、2078年の夏のある研究所から始まる。

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