アリシアの生まれは、カリフォルニア州ロサンゼルスだった。

比較的裕福な家庭に生まれ、親は、市議会議員をやっている関係で、低学年の頃は、両親の仕事の関係で、嫌がらせを受けることもあったが、今となっては良い思い出だ。

アリシアの両親は、アリシアを大切に育て、できる限り一般家庭の温かさを目指して頑張った甲斐もあって、アリシアは、謙虚な両親を尊敬した。

そんなこともあってか、アリシアは、幼い頃から政治家を夢見て、努力を重ねる。

地元の有名大学を卒業後に銀行員を数年経験した後、選挙に当選。そこから、両親の紹介で、有名な元国会議員を補佐にして、ついには、大統領選で勝利を収めた。アメリカ初の女性大統領の誕生の瞬間だった。

アリシアの両親は大喜びで、一人娘を誇りに思った。そして、自分たちの教育方針は間違いではなかったと確信する。

しかし、ある事件が起こり、アリシアは、大統領としての究極の選択を迫られることになった。

最終的には、アリシアは、その選択によって、家族はバラバラになり、自身も司法省に身柄を拘束され、特別刑務所に収監される事になる。

人生というのはわからないものだ。

アリシアは、刑務所に収監されたことより、一家をバラバラにしてしまったことを深く悔やみ、その時、初めて、人生をやり直したいと、そう思ったものだ。

今まで、アリシアは、大統領としても、一個人としても、悲惨な人々をたくさん見てきた。

しかし、当時は、人生に起こるすべては、自己責任だとそう考えていたし、自分の人生に責任をもつこと、それが一番重要だと考えていた。

確かに、その通りかもしれないが、自身の選択してきたことについて多少の疑問も覚えていた。自分が収監されて初めて、収容者の人権にもう少し配慮すべきだったとかだが、アリシアは、囚人の扱いがどれだけ酷いものかを知らなかったし、知ろうとさえしなかった。

これらは、彼女の考えの一部でしかないが、後年のアリシアは、そういう事をよく考えるようになっていた。

そして、皮肉なことに、そういう事をよく考えるようになってから、彼女の体調が悪化していく。もちろん、66という年齢のせいもあった。

そんな折、ある時突然、彼女は、今まで見たことも想像したことさえない、空間に、いや、世界に降りていくのだった。

results matching ""

    No results matching ""