丘の上

その後、サクラは、丘の上まで進んでみることにした。ほんの好奇心だったし、せっかくの観光だ。色々と見て回るのも悪くない。

丘の上からの景色は良かった。石畳の右側にある低い壁の向こうは、海が一望できた。

半円形の風変わりな白い建物の敷地は、雑草が生い茂り、長い間、利用されていないようだった。誰も居ないことは見てわかる。

敷地に入ってみた。何かの研究所だろうか。桜の木が一本だけぽつんと植えられていた。

そして、そこの地面をよく見ると、小さな板が突き出しており、板には、「アイ、ここに眠る 2170-2170」と書かれていた。

どういうことだろう。ここに住んでいた人のペットが3年前、生まれた歳にすぐ死んでしまったのかな。

偶然にも、それは魔法が発見された年と同じだった。少し気がかりだったが、しかし、そんなことに意味などあるはずがない。サクラは、回れ右して、丘の上からの景色に目を向けたあと、全く役に立たない杖を持って、下山することにした。

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