現実の世界

朝になった。サクラは、ベッドから這い出ると、なぜか外の様子がいつもと違うような気がした。だけど、きっと気のせいだ。

しかし、その日から、世界は、本当に魔法のない世界になっていた。

サクラは、数日過ごすと、むしろ今までがおかしかったし、夢だったのだとそう思った。魔法なんて、そんなの馬鹿げている。現実じゃない。

そう、現実ではなかったんだ。

だけど、あのリアルな夢は、本当にすごかったなと、サクラは、今では自分を誇る気持ちのほうが強かった。夢の魔法界では、自分は落ちこぼれだったけどね。

そんな思いで、中学1年生の半ばまで過ごしていると、学校の帰り道に、奇妙な子供に出会った。

年齢は、6,7歳くらいだろうか。しかし、なんだろう、あの服装は。薄汚れていて、まるで、まるで現代では存在しない戦争孤児か、大昔の人のように見えた。今の世界には、戦争もなく、とても平和で、貧困もないし、家庭に事情がある子供たちは、ちゃんとした完全なケアを受けていて、差別もなかった。

だからこそ、こんな時代に、あの子は変だ。一人でフラついて、ボロを着て、そして、なぜか手を空にかかげている。

サクラは、その子に、声をかけてみることにした。

「君、大丈夫?」

「...」

返事はない。無愛想な子だなとサクラは思った。しかし、この年頃の子は、ほとんどはこんな感じだったか。初対面では、ほとんど喋らないが、一度気を許した相手には、饒舌だったりする不思議。難しい年頃なのかね。自分にも、恥ずかしながらそういう時期があったんだ。

「お家はどこ?一人なの?もしかして、センターから来ているのかな?」

「...」

「私は、サクラっていうの。もし困ったことがあったらお姉ちゃんに言ってみてほしいな」

すると、

「あなたは、今、幸せ?」と女の子が聞いた。はじめて言葉を喋った。喋れるのかよ!!

「...えっと、まあ、うん、そうだね」突然、なぜこんなことを聞くんだろうと思ったが、サクラは一応、答えることにした。

「これ、あげる」女の子は、握った片手を差し出した。

サクラは、何かなと思い、両手でそれを受け取ろうとした。

しかし、

開いたその小さな手には、何もなかった。

「あ、あれ?」サクラは、首を傾げた。

しかし、ただの一人遊びか何かだろうと思い直した。私もおままごととか、そう言えばやってたな。今思うと、恥ずかしいいい!

「それは、幸せの...。きっとあなたを導いてくれる」と女の子が言った。

「...あ、うん。ありがとう」サクラは、女の子が割と元気そうなので、そこでサヨナラして、もう寮に帰ろうと思った。サクラは、この街に留学に来ていたのだ。

「なんか、変わった子だったな」サクラは、帰り道、街頭が灯る橋の上でそんなことをつぶやきながら、帰路についた。

しかし、後々、その日を思い返してみると、変なことばかりが起こった日だった。

その日、サクラが自分の部屋にたどり着くと、その扉の前に、なぜかハリネズミがぐっすりと眠っていたのだから。

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