誰かの夢

サクラは、目を覚ました。そして、ここは間違いなく現実だった。

サクラは、今まで長い長い夢を、遠い遠い誰かの夢を見ていた。

私は覚えている。それは、しゃべるハリネズミと一緒に遊ぶ夢だった。魔法のない世界で、魔法の練習を必死に頑張る夢だった。ユイちゃんに色々な話を聞く夢だった。そして、最後に誰かとお別れをする夢だった。

これまでのことも覚えている。両親のことも、なんでこの街に来たのかもはっきりと。

私は、子供の頃から、魔法を使うのが夢だった。だから、魔法という未知の力が発見されて間もない学校に、誰よりも早く留学生としてやってきた。ここは留学生ばかりだ。

だけど、この魔法界で私は、魔法が使えなかった。全く使えなかった。他の人達にはできるのに、自分だけ何もできなかった。

でも、でもね。夢の中の私があんなに頑張ったんだ。私も頑張ってみる。見ててね、ユイちゃん。

新たな決意を胸に、入学して半年、自信に満ち溢れ、どこか誇らしげな表情で、サクラは、ゆっくりと歩きだした。

そうそう、夢の中では3年もの時間だったが、ここでは、僅か1日なんだね。驚いた。

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